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麻酔・緩和医療科

概要

安全な周術期管理
近年、手術を受ける対象患者の高齢化と重大な合併疾患を持つ重症例の増加が著しくなっています。そのため、症例ごとのリスク評価とリスク軽減のための介入が術後の早期回復のために必須となってきています。
当院では、当科を中心に主治医、併存疾患の専門科医師、周術期管理専門看護師、コ・メディカルスタッフによる周術期管理チームを立ち上げ、術前・術中のリスクに関する情報を系統立てて評価し、共有し、介入することで安全な周術期管理をめざしています。
早期からの緩和ケアの介入とシームレスな緩和医療の提供
当科ではペインクリニック外来を有しており、がん患者の痛みや治療に伴うしびれなどの身体的苦痛に対して、緩和ケア認定看護師と連携して、外来診察時より関わっています。入院時には、緩和ケアチームとして関わり、必要時には各種ブロックなどインターベンション治療も行います。退院の際には訪問看護や在宅訪問医の先生方とも連携をとりながら、在宅での身体症状の緩和も行っています。
ペインリニック診療
緩和ケア外来としてのみならず、急性期の痛みに対してはペインクリニック外来として硬膜外ブロックやエコーガイド下ブロックなど行います。

特色・トピックス

先生方へ
痛みは原因がはっきりしないことも多いのですが、診断を兼ねたブロックを行うことにより、原因が推察されることもあります。手術麻酔業務が主であるため診療時間など、どうしても自由がきかないところもありますが、痛みでお困りの際はお役に立てることもあるかと思いますので、一度ご紹介ください。
難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法を当院の外来患者様以外でも2泊3日で受け入れて行っています。腹水が原因でお困りの症状は、ずいぶんと改善する可能性があります。詳しくは、あったかサポートセンターを通じてお問い合わせください。

主な対象疾患

ペインクリニック領域疾患
帯状庖疹後神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、慢性疼痛、腰部脊柱管狭窄症など
緩和ケア領域
難治性腹水、癌性疼痛

主な検査と治療

腹水濾過濃縮再静注法(CART)

癌に伴う難治性腹水のコントロールに対して、腹水濾過再静注法を行っています。腹水に伴う腹満感、呼吸困難感に対しては改善がみられ、食欲の改善や活動性の回復がみられることがあります。

エコーガイド下ブロック
頚椎症性神経根症などの激痛に対して、エコーガイド下に腕神経叢ブロックを行うことにより痛みを軽減することがあります。エコーガイドにより以前より安全に外来でできる様になりました。
持続硬膜外局所麻酔薬注入
帯状庖疹の急性期には、激痛で夜も寝られないことがあります。痛みが強い間は、入院の上硬膜外チュービングを行い、局所麻酔薬で鎮痛をはかることができます。

患者様へ

以下のような症状があるときは当科を受診ください。

痛みの外来

ペインクリニックは痛みの外来です。痛みの原因・種類を問わず、痛い方はどなたでも受診してください。痛みを和らげる治療を行いますが、原因の治療は他の科で行うこともあります。外来治療のみならず入院治療を行うこともできます。ペインクリニックで扱う代表的疾患は帯状疱疹、腰痛、癌性疼痛などです。

帯状疱疹

帯状疱疹は水疱が治まる頃から痛みが増強し、ひどいときは夜も眠れないほど痛くなります。可能であればブロック治療を行い、内服治療も併用します。ブロックは一度だけでなく繰り返し行うことになるので、しばらく通院が必要です。痛みが強い場合は入院してチュービングを行い、治療することもありますが、これは発症から早期の場合に効果的です。痛みのピークは発症から1~2ヶ月後と、皮膚の病変自体は治まった頃に激痛がくるので周辺の人には理解されず、治療が遅れることがあるので痛みがあれば受診も考えてください。

腰痛

腰痛症は多くの人が持っていますが、これは人間が四つ足でなく二本足で歩行することで腰部の脊椎に負担がかかるため加齢により必然的に起こると考えられます。同様に首の骨にも負担がかかり頸椎症も起こりやすくなります。癌などと違って、症状が無いあるいは軽微であれば治療しなくてもかまいません。症状が痛みのみであれば痛みさえ取れれば良いので、内服薬やブロック治療を行います。数回ブロック治療をしたら落ち着いて、日常生活に戻れる場合があります。
腰痛の場合、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症からの痛みで受診される方もあります。ブロック治療で軽快し手術せずにすむことがあるので、整形外科から紹介されて受診され両方の科でフォローすることになります。
いわゆるぎっくり腰などの急性腰痛も対象となります。ぎっくり腰は腰椎椎間関節ブロックで劇的に軽快することがあります。

癌性疼痛

癌による痛みをとることは、厚生労働省も勧めていますが、日本では欧米よりも麻薬の使用量が少なく、まだまだ十分とは言えません。麻薬を飲むことが鎮痛の主流ですが、ブロック治療を併用することで痛みの緩和が得られることもあります。癌性疼痛の場合、原因の除去ができない場合が多く、痛みの緩和そして全身症状の改善を図りQOL(Quality of Life)を向上させることが目標です。そのために精神科的アプローチで気分が落ち込みがちな患者様のサポートを行うなど多角的多面的な取り組みが必要です。他科と連携し、チームを組んで総合的に見ることができる体制作りに努めています。
以前は長期に入院しての治療が主流でしたが、現在はなるべく外来通院で家族と過ごしながら疼痛の緩和を計ります。現在日本で使用可能な麻薬はモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、タペンタドール、メサドン、トラマドール、コデインなどで、経口・座剤・貼付が可能で、経口薬の中には即効性のシロップや粉末、長時間作用性の徐放薬など多岐にわたる剤形より個々の状態に合わせて選択します。麻薬による副作用の予防薬も併用しながら量の調整を行います。通院しながら微調整を行い、なるべくふつうの生活ができるよう努力しています。ブロック治療が必要となれば、入院治療も可能です。

その他

三叉神経痛、頭痛(片頭痛・群発頭痛など)、五十肩などの痛みの疾患の診療を行っています。

ブロック治療

ブロック治療とは局所麻酔をした後、専用の針で薬液を注入し、疼痛の軽減を図る方法です。ブロックの種類は多く、頭部から頚部、上肢、体幹、腰部、下肢とあらゆる場所で様々なブロックが行われています。疾患や痛みの程度によりブロックの種類を選択しますが、1回のみならず繰り返し行うことが多くあります。局所麻酔薬やステロイドによるブロックが一般的ですが、痛みの内容によっては永久ブロックの適応があります。アルコールやフェノール、高周波熱凝固で半永久的に神経をブロックすることで重症の疼痛の改善を図ることもあります。三叉神経痛や癌性疼痛では永久ブロックの適応となる場合があります。最近は高周波熱凝固療法を用いて、一時的ブロックと永久ブロックの中間的なブロックを目指す方法が話題となっています。当院には高周波熱凝固療法用機器は整備されていますので、適応のある患者様には積極的に行っています。