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お知らせ

第1回日本生命病院地域連携看護セミナー Q&A

第1回 日本生命病院地域連携看護セミナー(2018.10)
「在宅における痛みのマネジメントとケア」 Q&A 

たくさんのご参加ありがとうございました。アンケートでいただきましたご質問にお答えしたいと思います。


Q:アセトアミノフェン、NSAIDsの投与量について目安があれば知りたいです

・アセトアミノフェンの投与量は2400~4000mg/日程度、1回300~1000mgを経口投与、投与間隔は4~6時間以上となっています。(がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年度版より抜粋)
・錠剤は200、300、500mg/錠があります。形状は大きく経口薬の数が増えるため、嚥下機能や他の投与薬数も確認しながらその都度医師と相談しています。
・非ステロイド性抗炎症薬(以下NSAIDs)には有効限界があります。そのため最大投与量以上の増量や複数のNSAIDsを併用しても効果は上がらず副作用のみ強くなることがあります。(ハンディマニュアル がん性疼痛のケアより抜粋)
・アセトアミノフェン、NSIADsだけでは、鎮痛効果が十分にえられず眠れない、食事時の姿勢をとることが難しい、動くことが困難になるなど日常生活に影響がでてきた場合は、医療用麻薬を開始するタイミングとなります。そのため看護師は生活に支障がでていないかアセスメントを行い、'薬剤変更が必要である'と判断した場合少しでも早い医師との連携が大切であると考えます。


Q:医療用麻薬の減量の方法についてはどうしますか?

・医療麻薬の減量は、麻薬の過量が疑われる際(痛みは強くなく眠気がありいつもうとうとしている)もしくはがん治療や神経ブロックなどで疼痛が軽減した場合、病態の進行により神経麻痺(脊椎麻痺)が進行した結果、疼痛が減弱した場合などに行います。(ハンディマニュアル がん性疼痛のケアより抜粋)
・がん患者において医療用麻薬以外眠気が考えられる原因は、電解質異常(高カルシウム血症、低ナトリウム血症など)薬物(向精神病薬、中枢作用のある制吐薬など)血糖値異常、腎機能障害、肝機能障害、高アンモニア血症、感染症、脳転移などが考えられます。医療用麻薬による眠気と判断する前にはしっかりと観察が必要です。
・減量方法は、1日量の2/3~1/2を減量していきます。2~3日間かけて行い、疼痛が増強すればまた元の投与量に戻すのが目安となります。ただし、高容量の麻薬が長期間投与されている患者が減量を行う場合は退薬症状に注意が必要です。退薬症状は、多彩ですが、主な症状はあくび、発汗、掻痒感、嘔吐、下痢、悪寒、鳥肌、震戦、不安感、イライラ感、不快感、不眠などです。(がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2014年版より抜粋)看護師は疼痛の程度、退薬症状を観察し、医師へ相談することが大切です。

  がん性疼痛看護認定看護師  小山 佐知子  (2019.1)