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第19回日本生命病院地域連携看護セミナーを開催いたしました!「認知症のひとのその人らしさを支えるケア」

医療関係

第19回日本生命病院地域連携看護セミナーの開催ご報告

2024年920日(金曜日)1715分~1815分に、テーマ「認知症のひとのその人らしさを支えるケア」で開催いたしました。

今回は、認知症看護認定看護師 井上が演者で行い、認知症にみられる認知機能障害、その特徴とケアについて症例を通してお話をしました。またリロケーションダメージ(転移性ストレス症候群)の影響と対策、認知症マフなどの情報提供がありました。

今回もハイブリッド形式で開催し、院内外68名の方に参加していただきました。本当にありがとうございました。

      参加者からの声
  • 認知症の方への関わり方、声かけの必要性の大切さを学びました。施設入所の方も多い時代なので、今後のケアの理解度が深まりました。 (看護師 病院)

  • 困りごとがあっても少しの工夫や対応の仕方で状況が変化することをあらためて理解できました。病棟での事例でしたが訪問看護においても共通点がありますのでアセスメントしながらサポートしたいと思います。
    (看護師 訪問看護ステーション)

  • 施設内入所の利用者にも今回聞いた症状がみられるので声かけ大切にしていきたいです  (看護師 介護保健施設)

  • 知らないことを知ることができ有意義な時間でした。 (介護士 介護保健施設)

  • 事例を交えての講演で分かりやすい内容で良かった。(ケアマネジャー居宅介護支援事業所)

セミナーでいただいたご質問にお答えしたいと思います。
セミナー内の事例で80歳代脳出血で入院された方が看護師に対して「おまえらは私を殺す気か」と声をあらげておられる時の
  対応について、何が大切だったと思われますか?
この事例は外来で受けた検査を順序だてて理解することが出来ず、患者さんは「殺す気か」と思ったくらい恐怖を感じ、拒否的
  反応から声を荒げていたと考えられます。入院時に対応した看護師も労いの言葉をかけていました。
  さらに、部署を統括する病棟師長が訪室し検査を受けてきたことを労ったこと、「一緒に頑張りましょう」と声をかけたことで、
  患者さんは病院が安心できる場所だということが理解でき、「ありがとう」と入院を受け入れる言動へ繋がったと考えました。
認知症マフについてくわしく教えてください。
:認知症マフとは、認知症特有の症状から手元に不安を感じる人が触れたり手を通したりして落ち着けるように、さまざまな飾り
  を縫い付けた円柱型のニット小物です。(朝日新聞厚生文化事業団ホームページより抜粋)セミナーでもお話させていただきま
  したが、私自身も認知症マフに
ついては学習の途中です。詳しくは、朝日新聞厚生文化事業団が「認知症マフ」の普及活動を行
  っています。そちらのホームページ(https://www.asahi-welfare.or.jp)を参考になさってください。
施設入所中の方で入浴を拒否され困ることがあります。何かよい声かけ、ケアはありますか?
まず、ご本人に入浴を拒否する理由を聞いてみてはどうでしょうか。
  理由が分からない場合は大きく4つの理由に当てはまらないか確認して、対応していきます。
  ①体の不調があり、入りたくないかもしれません。わたしたちも熱が出ているときは控えますよね。
  ②無理やり入らされたなど、入浴に関した過去の嫌な体験(感情)をお持ちかもしれません。
   本人のペースに合わせて入浴し、嫌な体験を快な体験に塗り替えて行きましょう。
   まずは足だけ湯船に浸かることからチャレンジしてみてはどうでしょうか。
   また、施設で入浴日が決まっている場合、朝から「今日は風呂の日ですよ」とお伝えすることで、
   認知症のひとも「風呂に入る」と心の準備ができます。
  ③「昨日入った」と思っているなど、記憶障害や見当識障害による拒否があるかもしれません。
   ご本人のカレンダーに「入浴」と書くなどして、物忘れを補う工夫をしてみましょう。
  ④「昼間に入らない」、「他人と一緒は恥ずかしい」、「一番風呂は家族に譲る」「元々、風呂は嫌い」など
   長年の習慣や環境の違いがありませんか。タオルで隠すことができる準備、洗い場では端の場所へ案内する、
   1人で入れる時間を設けるなどの工夫をしてみましょう。

なにか、ご不明な点がございましたら、ご連絡ください。

E-mailinoue.keiko@k.nissay-hp.or.jp

認知症看護認定看護師 井上 けい子

次回 第20回 日本生命病院地域連携看護セミナーのご案内

 日時:2024年12月20日(金曜日)17時15分~18時15分 開始時間が早まります
 テーマ 「早く気づいて対処しよう ~免疫チェック阻害薬の副作用(irAE)について~」 
 演者  鄭 恩愛 がん薬物療法看護認定看護師 

 開催形式 ハイブリッド形式 ・WebexによるLIVE配信
               ・日本生命病院1階あったかふれあいホール

  みなさま参加しやすい方法でぜひご参加下さい。

 文責 がん性疼痛看護認定看護師 小山佐知子