第15回日本生命病院地域連携看護セミナーを開催いたしました!「ストーマケア こんな時、どうする?~ストーマケア時の観察ポイント・トラブル時の対応~」
医療関係
第15回日本生命病院地域連携看護セミナーの開催ご報告
「ストーマケア こんな時、どうする?~ストーマケア時の観察ポイント・トラブル時の対応~」を2023年9月29日(金曜日)17時30分~18時30分に開催いたしました。
今回は、皮膚・排泄ケア認定看護師 岩崎が行い、ストーマ合併症の発生 排泄物の漏れやスキントラブルがあった場合、どうアセスメントするか?どう対応していくかを具体的に実際の症例に沿って話をしました。
ハイブリッド形式で開催とし、院内外69名の方に参加していただきました。本当にありがとうございました。
- 参加者からの声
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トラブル時の処置について勉強できました。今回のセミナーでの学びを今後の支援の参考にしていきたいと思います。(ケアマネジャー)
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トラブル時の対応や装具の選び方がよくわかりました。(病院 看護師)
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ストーマ造設後の創部の安定は、その後のケア、対応される方の判断、経過観察が重要であることをはじめて知りました。(訪問看護師)
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- セミナーでいただいたご質問にお答えしたいと思います。
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- Q: 面板部分の掻爬による便の漏れを防ぐには?
- そのため、掻痒感の発生に影響していると考えられる原因を整理し、
- その要因を除去し予防的スキンケアを実践していく必要があります。
- 【便が漏れる原因をまず確認】
・排泄物が皮膚に付着して掻痒感を招いている → 装具の選択や交換間隔の見直し
・貼付物による接触性皮膚炎 → 使用装具の見直し
【予防的スキンケアの見直し】
・面板やテープ類は剥離剤を使用して優しく剥がす
・洗浄時は泡立てた洗浄剤で優しく洗う
・石鹸成分がのこっていないか
・洗浄後は空気浴を行っているか など
【ドライスキンの場合】
・様々な外的刺激により容易に掻痒感が発生しやすくなります
・保湿剤の使用や保湿剤入りの清拭洗浄剤の使用など検討
※ただし、保湿剤は、装具の粘着を妨げないものを選択する必要があります。 -
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- Q:ストーマに高さがあるが便の潜り混みが多いため凸面型を称しているが何か工夫はあるか?
ストーマ周囲皮膚4㎝以内にしわや窪みなどがあると便の潜り込みは起こります。
【現在使用している装具で便の潜り込みがない】
・便性コントロールを継続する方法でよいと思います。
【便の潜り込みがある】 - ・腹壁の硬度やしわ・窪みなどを一度評価
・装具の変更、皮膚保護剤による補正
・ストーマベルトの使用 などを検討してみてはいかがでしょうか。
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- Q:ガスの排出が多く、ガス抜きが困難な時の対策は?
ガスが抜けるスピードは速いわけではないので、適宜排泄口からガスを抜くことは必要です。
【便の性状】 - 便の性状によりガスの抜ける速度が少し違うため便性コントロールをしてみても良いかもしれません。
【フィルターの目詰まり】 - フィルターが目詰まりするとガスが抜けにくくなります。
・二品系装具であれば袋の交換を早める - ・水様便であれば臥床時にフィルターが汚染されないよう凝固剤の使用を検討する
・水様便でないのであれば外付けフィルターを使用する など - 【腸内環境を整える】
腸内ガスの原因の多くは、空気を飲み込むことによるものと言われています。
・食事はゆっくり噛む
・噛んでいる間の会話やストローの使用は控える
・ガスの発生しやすい食品を控える(炭酸飲料、ビール、イモ類、甲殻類、豆類、貝類、ごぼうなど)、
・腸内環境を整える発酵乳製品・発酵食品を摂取する などの対策をとってみてはいかが でしょうか。
【装具の変更】
上記の対策を試しても困難であれば、短期用装具へ変更し毎日交換することも視野に入れてみてください。
皮膚・排泄ケア認定看護師 岩﨑由希子
次回 第16回 日本生命病院地域連携看護セミナーのご案内
日時:2023年12月15日(金曜日)17時30分~18時30分
テーマ 「痛みのケア:急性痛(仮)」
二井千里 手術看護認定看護師 が行います。
開催形式 ハイブリッド形式 ・WebexによるLIVE配信
・日本生命病院1階あったかふれあいホール
みなさま参加しやすい方法でぜひご参加下さい。
文責 がん性疼痛看護認定看護師 小山佐知子